悠久幻夢嵐(1)-雷の章-a rainy insilence
そう……その為に、
私は『心』の道を歩いて寄り添いたいと思った。
研修開始から二週間。
四月の半ばに差し掛かった頃、勇が鷹宮院長からの伝言を持って
私の方へとかけてくる。
「由貴、神前の兄さんから研修OKの了承貰えたよ。
僕と由貴は、此処での研修をしながら、神前にも出向して精神科の研修もさせて貰えるみたい」
その勇の声に、
私はほんの少し、自分の夢が動き出したことを感じた。
静かな雨は今も降り続ける。
その雨が……何時か、嵐を引き寄せそうで
そんな不安を感じながら、私は今ある時間と必死に向き合っていた。