LAST SMILE




そして今に至るわけです。


亜貴は苦笑してあたしを見つめた。


「そりゃ、お前が変な賭けに乗るから」


「だって!!タイミング悪かったから」


「あいつは頑固だからな。
 たかがアイス一つでも妥協しねぇんだよな」


亜貴が言う。


「ここにもない!もー。
 ないんじゃないの?この安いのでいいじゃん」


「麗華、あとで買いなおしさせられるぞ」


「んー」




亜貴と2人で歩くのは久しぶり。


最近は、祐兎と帰ることが多かったから、
もともと無口な亜貴と喋る機会はそうそうなくて、



だから、一緒に買出しをかってでてくれて
うれしかった。




「あ、麗華、あった」


「え?嘘!?」



コンビニを6件はしごして、
ようやく亜貴が見つけた。


そこのコンビニでみんなの分も買う。



「亜貴、本当にいらなかったの?」



コンビニからの帰り道、
アイスを食べているあたしの横で



ケータイをいじる亜貴にそう聞いた。




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