LAST SMILE
ライブ一色







「おかしい」


「は?」




現在、コンビニ3件徘徊中。


隣で素っ頓狂な声をあげたのは亜貴。


「何故、あたしたちがあいつらのために
 アイスを買わなければいかんのだ!!」


そう。


事の始まりは数十分前。







『うわぁ!!もう、
 REI腕相撲強すぎッスよー!!』


練習の休憩中に、あたしは
磯辺くんと武田くんと一緒に


腕相撲をして遊んでいた。


亜貴は一人でベースの手入れ。


祐兎は別部屋で煙草を吸っているはずだった。



あたしは腕相撲だけは
男子にだってそれなりに勝てる。



試しに2人とやってみたら
もう圧勝だったもので、鼻が高かった。



『女の子だよね?なんで?』


『2人が弱いんだよ。でも、これだったら、
 亜貴にも祐兎にも勝てそう!!』


『俺はやめとくよ。
 麗華とやって腕折られちゃ困るんでね』





亜貴は多分、強い。


あたしとやってたら、あたしが負けてた。




だけど適当にそんなことを言って
かわす亜貴は、やっぱりクールで大人だ。



あたしたちがそんなしょうもない遊びで
盛り上がっていると、祐兎が入ってきて・・・。





『なんだって?』




そう一言、
怖いくらい低い声でそういった。




その時のあたしの一言。




『亜貴はどうかわかんないけど、
 祐兎なんて一瞬でKOだね~』








はい、あたしが怒らせましたね。




わかってるよ。


負けず嫌いだっていうこいつの性格も、
こいつが強いんだってことも。




だって、一度見てるからね。


6人もの相手をフルボッコにしてたもんね。




『さぁ、やるか?KOなんだろ?
 その代わり、負けたらお前パシられろな?』


『うう・・・・』




『んじゃ、レディー・・・?』






ファイッ―!!








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