LAST SMILE



★亜貴Side



「くそっ!切れた!!」




病院に集合した俺たち3人は、
麗華からの電話を受けていた。


場所を言う前に、向こうで電話が切れた。


麗華、随分怯えてた。


きっと、祐兎が・・・。




「亜貴、どうする?
 場所もわかんねぇんじゃ、探しようが・・・」




真二がそういった。



わかってる。



わかってるよ。



だけど、だけどさ・・・。




麗華を、
あいつを一人にしちゃいけない。



もし、
もし祐兎が死んだりしたらあいつは・・・。





「おい、祥吾は病院で待機。
 戻ってくるかもしれねぇからな。
 真二は病院付近を捜してくれ」




「亜貴、お前は?」




「決まってんだろ!」






俺は後ろで呼ぶ
2人の声にも応えずに走り出した。





麗華のことだ。



きっと夢中で走って、走って、
自分でもどこにいるかわからないほど
遠くにいってるはずだ。



雪のせいで、多分祐兎も限界なはずだよ。


あいつ、
なんで病院抜け出したりしたんだよ。




麗華なら、俺が探しにいくのに。






俺が、あいつを守るのに・・・っ!!






走っているうちに、
俺はなつかしさを覚えた。





なぜって?



聞こえたからだ。






何度も聞いた、




なつかしの声。







いや、違う。





最近きいた、



心地いい、綺麗な声。










歌が、









歌が聞こえた。














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