LAST SMILE







それは、よく覚えている。








麗華が、
祐兎に向けたメッセージだったから。














「どこだ?麗華!」



俺は走った。





必死で、
その歌をたよりに探した。






この近くに、あいつらはいる。









どこかで、
どこかで麗華が歌ってる。










悲しそうに、








それでも、







幸せそうに・・・。














雪が降りしきる中、俺は見つけた。














真っ白い世界の中で




祐兎に抱きしめられたまま、






涙を流して歌い続ける、
  愛しいあの子の姿を―






















俺は動けなかった。














声をかけてやれなかった。




















俺じゃ、
あの子の涙は止められない。

















彼女は雪が止むまで、





止まることなく歌い続けていた。









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