LAST SMILE



その日は学校が終わるまで
その話題で持ちきりだった。


そのたびに、代わる代わるあたしのところにきては
質問をしていく。


あたしはやすむこともなく
愛想笑いをしてやりすごした。



不思議と、
彩夏はあたしのところに顔を出さなかった。


まぁ、あいつらにあんなふうに言われて、
怒ってるのかもしれない。


あたしは放課後、
亜貴の顔を見るまでずっと顔が引きつっていた。






「あれ?お前どうした?」


「え?あ、ああ、ちょっと質問攻めに・・・」



あたしが笑ってそう応えると、
亜貴が苦笑してあたしの頭をくしゃっと撫でた。


「はは。なんかその顔笑える。
 不自然だな。その笑った顔」


「え!?あたしの顔そんなに酷い??」


「まぁー。いつもの方がいいかな」



亜貴に言われて必死に顔を戻そうと
頬をぐにゃっとひっぱった。


「はは。何してんの?
 そんなんしたって戻んないから」



亜貴にまた笑われる。


あたしたちはそのまま一緒にスタジオに向かった。



スタジオまでの距離は、
うちの学校から結構遠い。


電車を乗り継いで20分くらいかかる。


でもあたしはその道のりが好きだった。


亜貴と、一緒に穏やかに過ごせるから。


電車に揺られると眠くなって、
あたしは必ず寝ちゃうんだけど・・・。




「おい、起きろ。降りるぞ」


「ん・・・むにゃ・・・スー・・・」




今日は疲れたなぁ・・・。


ボーリングも練習しなきゃ。



あ、新しい曲、
早くできるようにならなきゃあいつに怒られるかなぁ・・。



すごく、この時間が心地良い・・・。




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