LAST SMILE
胸騒ぎ






ものすごい金属の音が響いて、男達がひるむ。


廃屋の入り口に
日の光が反射して姿がわからないけれど、


その人はそこに立っていた。




「誰だよ!?」


「名乗んなきゃわかんねぇか?
 ひっでぇなぁ。クラスまで一緒だってのになぁ」



「なっ!?お前・・・」






誰・・・?


亜貴?


ううん。


亜貴じゃない。



じゃあ誰が?




誰もこんなところにくるはずはない。



だって、誰もあたしが
ここに連れてこられたなんて知らないから・・・。






「おい、全員麗華から離れろ」


「誰・・・?」




その人がそう言うと、全員が一斉に下がる。



あたしの周りがフリーになった時、
その人は近付いてきた。



暗くてよく見えない。



必死に目を凝らしたって、よく見えなかった。




ただ、この人の髪の毛が日の光に
妙に反射していたことを除いては。







「あの・・・誰・・なの?」


「はぁ。おいおい、お前、頭打ったか?
 俺が誰だか忘れたのかよ?」





え・・・?



まって。



この声は・・・。




ていうか、
このムカつくようないじりは・・・っ!?










「祐兎・・・?」







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