LAST SMILE



どんどん苦しそうに息をする祐兎。


これ、本当に腹痛?


なんだかとんでもない病気なんじゃないか
って、急に不安になる。


こいつは強がりだし、
意地っ張りでプライドも高くて・・・。



だから、そんなこいつが
こんなに苦しんでるってことは、

それくらい酷いってことだよね?



どうしよう。


亜貴・・・。


亜貴!!







「麗華!!」


「亜貴!!どうしよう。
 祐兎、すごい苦しそう!!」



「落ち着け。こっからだと、
 救急車はいらねぇな。
 麗華、俺のチャリに乗れ」



「う、うん!」


あたしは言われたとおり、
亜貴の乗ってきた自転車にまたがった。


亜貴は祐兎を背中におぶって走り出した。


あたしもそれについて行く。




手が、震えた。


足も、震えた。




なんだろう。



こんなに不安になったことはない。



どうなっちゃうんだろう・・・。




祐兎、大丈夫?




祐兎・・・。










あたしたちはすぐに病院についた。


ここの病院は、以前、祐兎と二人できた、
確か、祐兎の親戚の方が入院しているところだった。


あたし、
こんなところまで連れてこられてたんだ・・・。




知らないはず。



隣町の土地なんて、全然知らない。



それなのに、
亜貴はどうしてここまでこられたんだろう・・・。



亜貴が来て、あたしはすごく安心した。



もし、亜貴が来ていなかったら、
祐兎、死んじゃってたりしたのかな?




なんて、そんなことを考えながら、
自転車を降りて亜貴のあとを追った。







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