Wednesday ☂
「今安達を独り占めしてるみたいで、嬉しいからさ。」
「ひ、独り占め…って…」
「あ、ワガママ言ってるかな?俺。」
もうちょっと一緒にいたいだけだよ、と照れたように笑う由紀ちゃんが歩くスピードを落とす。
なんだか、こんな彼を見るのは初めてで…
可愛いなとか偉そうに考えてしまう自分がいる。
…ちゃんと返事も出来ていないのに
今こうやって隣を歩いてていいのか、な。
「…あれ、由紀…と沙綾ちゃん!!!」
悩みだしたら止まらない心に大きな声が響く。
声が聞こえた前の方に目線を移すと、
スウェット姿でコンビニ袋を持った有村くん。
「…秋斗、先に言うけど違うからな。」
「早いぞ。俺まだなんも言ってないから!」
「じゃあ何が言いたいんだお前は」
「いやいや沙綾ちゃん制服だし、ずっと一緒にいたのかなーって。」
「うん?さっきまで由紀ちゃんちにいたけど、「由紀んち!?二人で!?」
う…、そんな風に言われると恥ずかしくなってくる。
確かに…付き合ってもないのに、可笑しいのかな?
「沙綾ちゃん、なんかされたら俺に言いな?
由紀はこう見えてむっつり「秋斗?明日楽しみにしてろ?」
「……ん、ん。お邪魔しました。」
じゃあね!と金色の髪を揺らす有村くんに、
由紀ちゃんは呆れながらも なんとなく嬉しそうだった。
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それから、有村くんのエピソードを聞きながらゆっくり歩いて帰った。
私の家の前まで来ると由紀ちゃんはまた連絡するね、と言って来た道を戻っていく。
だんだんと離れていく後ろ姿を見ていると、
ぱっと振りかえった彼がバイバイと口パクをしながら笑って。
なんだか、少し…幸せな時間に感じた。