春恋~春来い~
「わざわざ学校休まなくて良いのに。」










そう、今、私は蒼太の病室。昨日はハルくんの事もあって、とにかく学校を休みたかった。学校を休むなら、少しでも蒼太の力になろうと思って来たのだ。











「良いの。授業、サボれるし。それに、まだ1週間経ってない。彼女
ならケガした彼氏を放ってはおかないでしょ。」










「あー、早く退院してぇなー」











「頭は?痛くないの?」








「多少な。でももう大丈夫だ。」











「…………ねえ、どうして私を助けたりなんかしたの?」










「………守るって言ったろ。」











「私なんか守って何になるの?」











「俺が守るって決めたんだ。ただそれだけだ。無事で何よりだ。」











「何か訳があるんでしょ?その蒼太の“守る”って言葉には。」









「……ねぇよ、何も。」











「嘘だ。蒼太、もう一人で抱えこまないでよ。私に頼んだのが1週間って、いうのも何か理由があるんでしょ。だって私に付き合ってって1週間じゃなくったって頼めるでしょ?」











病室が静まり返る。窓から差し込む光が私と蒼太を照らしている。














「………分かった。ハルには話すよ。」











その時、私達以外の時間が止まったように思えた。

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