マーメイドの恋[完結]
「どうぞ〜」
と言われ、夏子は助手席に乗り込む。
車内はやはり、ロカビリー風の物が飾られていた。
ロカビリーというと、50年代ということだろうか。
夏子も伊原も生まれていなかった時代のことを、何故伊原は好むのだろう。
それに、フェラーリには全然似合わないと夏子は思った。
「伊原先輩はロカビリーが好きなんですね」
「ああ、カッコイイだろ?プレスリーが好きでね。親父の影響で。夏子ちゃんはこういうの興味なかよね?嫌いかい?」
そういえば、伊原の父親も昔ワルだったと聞いたことがある。
親子揃ってヤンキーだったのだ。
ヤンキー上がりというのだったか、そういう人は大人になっても、ヤンキーだった頃の好みが続くのだと夏子は思った。