マーメイドの恋[完結]

「いえ、嫌いではないんですけど、ロカビリーのことは詳しくなくて」


「夏子ちゃんはなんが好きなん?」


「私は海を見るのが好きなんです」


「夏子ちゃん、敬語で喋らんでよかよ〜。海かぁ〜海とか飽きたんやなかね?綺麗な海が見たいなら、沖縄に連れて行くよ」


敬語で喋るなと言われても、何語で喋ればいいのかわからない。
友達でもないし、先輩といっても初めて会ったのと同じなのだから。


「私、地元の海が好きなんです。だから海の見えるカフェで働いているし、海が見えるところに引越したんですよ」


そう言った時に、伊原が夏子の顔をチラッと見た。
その目がキラリと光ったような気がした。


夏子は引越しのことを言ったことを後悔したが、どうせ送ってもらうのだから隠せないと考えていたのだ。


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