マーメイドの恋[完結]

夏子がお風呂から出て、リビングで髪を乾かしていると、伊原が起きてきた。


「ふぁ〜。一瞬どこで寝てるのかわからんかったばい。俺もシャワー借りてよかね?」


「うん。お湯も入ってるよ。待って、追い焚きするから」


伊原がお風呂に行ってる間に、夏子は朝食を作った。
伊原のマンションみたいに、近くにコンビニはないので、冷蔵庫にあるもので作らなくてはならないが、毎日作っているので材料は足りた。


食パンは冷凍してある。
野菜サラダやハムエッグなどを作り、コーヒーを煎れた。


休みの日に伊原のところへ泊まれた時は、もう少し手の込んだものを作るつもりだ。


「あ〜気持ち良かった。朝風呂も久しぶりやけんね。いつもシャワーだけやもん。又寝そうになったばい」


「髪を乾かしたら、ご飯にしよ」


結婚というのは、こういうことの繰り返しなんだろうなと、夏子は思った。


< 103 / 169 >

この作品をシェア

pagetop