マーメイドの恋[完結]
「何言ってるの?私のことなんかより、そっちの方が大事じゃないの。行かなきゃ駄目よ」
「もしプロになれたら、ずっと大阪にいることになるかもしれないんだ。時々帰ってくるけど」
何を迷うことがあるのだろうか。
自分の夢が一番大事なのに。
「倉沢くんには夢を実現して欲しい。私も応援するから。もし私が倉沢くんの彼女だとしても、そう言うわよ」
「うん。仕事のこともあるし、いろいろ迷っていたんだけど、チャンスはもう二度とないかもしれないからね。よし決めた!大阪に行くよ」
「それがいいわよ。仕事なら介護士の資格があるなら、またいつでも戻れると思うし。でも、向こうでの生活は大丈夫なの?」
「大阪のボクシングジムから誘われたんだ。仕事も世話してくれるらしい」
「なら大丈夫よ。頑張って」