マーメイドの恋[完結]

夏子の仕事の休みの前日、伊原からの連絡はなかった。
泊まりに来るなということなのだろう。
しかし、休みの日には掃除と洗濯をしに行きたい。


夏子は、伊原がお昼頃まで寝ているかもしれないと思い、お昼過ぎに伊原のマンションに着くようにと考えて家を出た。


食材などはどうしようかと迷ったが、今日は伊原と一緒にいることができるのかどうかわからなかったので、とりあえず先に伊原のマンションへと向かった。


部屋に入る時にはドキドキした。
またあのエミという女がいるのではないか、それとも今度は違う女かもしれない。


玄関には、ハイヒールも女性用の靴らしきものもなかった。
そして伊原自身もいなかった。


伊原の行動がまったく把握できない。
とにかく掃除して、たまっている洗濯物を洗濯しなければと思った。


< 110 / 169 >

この作品をシェア

pagetop