マーメイドの恋[完結]
洗濯物を見るのもドキドキした。
女性用の下着などが入っているのではないかと思ったりしてしまうのだ。
バスルームも掃除しようと思った。
先週使った、ブランドのシャンプー類も、もしかするとあのエミという女のために用意したものかもしれない。
そういうことも、今は我慢するしかないのだろうか。
一通り、掃除などが終わったので、足りないものを買いに行こうと考えた。
今日は、博多駅近くのデパートに行こうと思い、来た時と同じく地下鉄に乗り博多駅で降りた。
博多駅からデパートを目指して歩いていると、路地から男女のカップルか出てきた。
男性の方は伊原だった。
伊原は、夏子を見て一瞬目を見開いたが、すぐに目線をそらした。
女性の方は、そんなことにも気がつかずに、伊原の腕にまとわりつくように寄り添っていた。