マーメイドの恋[完結]

「そこのソファーに座りましょうか」


部屋にはいると、倉沢がそう言ったが、夏子は倉沢に抱きついた。


「夏子さん、どうしたんですか?話して下さい」


「又、女の人と一緒にいたのよ。私と会っても堂々としてたわ。今度こそ別れる」


夏子は、そう言いながら洋服を脱ぎはじめた。
倉沢は何がはじまったのかと、少しの間ポカンとして見ていたが、夏子が下着姿になると慌てて止めた。


「夏子さん、何してるんですか!」


「倉沢くん、私を抱いて」


「できませんよ」


「どうして?私のこと好きだって言ったじゃない」


「でも、夏子さんはまだ彼氏さんのことが好きなんでしょ。だからこんなことを」


「違うわ。私は倉沢くんが好きなの」


夏子は全裸になった。


「夏子さん、とりあえず寒いからベッドに入って」


倉沢は夏子をベッドに横にならせ、布団をかけた。


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