マーメイドの恋[完結]
「倉沢くんも入って」
「今日は駄目です。夏子さんの心の中にはまだ彼氏さんがいる。そんな夏子さんを抱くことはできません」
「ひどい……私バカみたいじゃない」
「そばにいますから」
「お願い、抱きしめて」
「夏子さんは残酷だなぁ。わかりました」
倉沢もベッドに入ってきた。
「夏子さん、すごく綺麗だ。ほんとにマーメイドみたいだよ。ハァハァ……」
「倉沢くんごめんね。こんなことして。また逆に苦しめてるよね」
「苦しいよ。抱きたいよ。夏子さんを」
「我慢できる?」
「できますよ。でも強く抱きしめるよ。裸の夏子さんを」
「強く抱きしめて欲しい。倉沢くん、もうすぐ大阪に行っちゃうんでしょ?寂しいよ私」