マーメイドの恋[完結]

「夏子、やっぱり先にちゃんと話をした方が良かったかもしれんね」


倉沢が夏子に言った。


「うん。でも話すと又うやむやにされるわ。とにかく、私は別れるということを伝えるだけにしようと思うの、電話で。鍵はメールボックスに入れてくる」


「夏子、あの人のとこには戻らんとってよ。もう俺だけの夏子なんやけんね」


「当たり前よ。戻ることなんてありえないわ。心配しないでね」


お風呂の後にベッドインした。
倉沢は昼間よりも激しかった。


「夏子、どこにも行かんでよ」


倉沢のものはやはり今までの男たちの中で一番大きく、最初から最後までズンと重いものを夏子の身体は受け止めた。


ー苦しい。壊れそうー


だけど、この苦しさが倉沢と愛し合っているという悦びで、夏子は幸せだった。
倉沢は、夏子のことをずっとずっと愛してくれる。
夏子は愛されたいのだ。
愛してくれる人を待っていたのだ。


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