マーメイドの恋[完結]

夏子の心の中には、まだ彼氏さんがいるからできないと倉沢は言った。
夏子から酷いと言われたが、はいそうですかとベッドに入るわけにはいかない。
それでも夏子は、抱きしめてと言ってくる。


倉沢は、最初にここに入った時から、こんな風になるとわかっていたような気がした。
いや、気がしたのではなく、必ずそうなるであろうということは、わかっていたのだ。


今、夏子を拒みながらも、夏子がもっと強引に自分を誘惑して欲しいと、倉沢は思っていた。


夏子を拒めない理由が欲しい。
自分からしたいとは言えない。
しかし、夏子がどうしてもと言うなら……。


倉沢は、仕方がないという感じでベッドに入った。
裸の夏子が、すぐ横にいて、その夏子を抱きしめている。


我慢などできるはずがない。
それでも、夏子から我慢できるかと聞かれ、我慢できると倉沢はこたえていた。


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