マーメイドの恋[完結]

倉沢は果てた。
しかしすぐにでもまた、夏子の中に入りたいと思った。
夏子のことが愛おしくてたまらない。


夏子と、この町で過ごせる時間は、もうあまりないのだ。
夏子と、これから先たくさんいろんなことをしたい。
離れている間はなかなか難しいかもしれないが。


今日はまだ夜まで時間がある。
夏子と、こういう風な仲になったのに、倉沢は2週間後には大阪に行かなければならないのだ。
しかし、大阪に行く前で良かったと倉沢は思った。


「今からどこかに行こうか」
と夏子に聞いたが、今からじゃ行くところもないから、夏子の部屋で鍋でも食べようと言われた。


倉沢にとっては、それは願ったり叶ったりのことだ。
また夜までずっと、もしかすると一晩中夏子と一緒にいられることになる。
倉沢の下半身がまた熱くなってきた。


ラブホテルを出て、ふたりでスーパーに寄り、食材やビールを買った。
お酒を飲めば、夏子の部屋に泊まれるからだ。


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