マーメイドの恋[完結]

食事の時に、倉沢は夏子に、プロテストに受かったら大阪に来て欲しいと伝えた。
夏子はビックリしていたが、来てくれると言ってくれた。

これであんしんして、ボクシングに打ち込めるし、プロのボクサーになるために、なおいつそう頑張れると思った。

夏子が、もう一度お風呂に入りたいと言い出した時に、部屋のインターホンが鳴った。
夏子は鍵を開けずに、スコープから相手を確認しているようだった。

インターホンを鳴らした主は、夏子の彼氏だった。
夏子とその彼氏はドアを隔てたまま会話をした。

男の話し方を聞いていて、倉沢が思ったことは、言葉で女を操るタイプの男だということだ。

夏子のことを、本気で愛しているなどというのは嘘だというのがわかる。
夏子のことなど、大事にはしていない男だ。
自分なら、もっともっと夏子を大事にできる。
それは自信があった。


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