マーメイドの恋[完結]

夏子は海が好きだ。


父親が漁師ということで、生まれた時から海の匂いを嗅ぎ、毎日海を見て育ったからだろうか。


それだけではない気がする、と夏子はいつも感じていた。
それは遠い遠い記憶の中にあるような、不思議な感覚の海への熱い思いが、夏子の心の中にあったからだ。


夏子は、毎日いつでも海を眺めていたく
て、とうとう今年、海辺に建つマンションを購入した。


マンションと言っても、中古マンションで築30年以上経っている。
マンションドミールの6階が、500万円で売りに出ていたのだ。


夏子は、以前からそのマンションに住み
たいと思っていたので、広告を出していた不動産屋にすぐに行き、即契約したのだ。


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