マーメイドの恋[完結]
不倫もした。
相手はいつも職場の上司だった。
その上司たちも、上から強制的に結婚相手を決められて、好きでもない人と結婚したのだ。
そんな男たちが、一時的な恋愛を求めて夏子を誘った。
夏子はいつも孤独だった。
埋められない心の隙間を、男たちに抱かれることで、埋められるような錯覚に陥っていたのだ。
「上司から無理矢理勧められて結婚したんだ。嫁さんのことなんか好きでもなんでもない。俺は夏子が好きなんだよ」
男たちが、みんな同じようなことを言った。
ーじゃあ奥さんと別れて私と結婚してよ。そうすればお母さんが喜ぶからー
その度に、夏子はそう思うのだった。