マーメイドの恋[完結]

夏子はベッドから下りて、バッグの中からワンピース風の部屋着を取り出し、頭からスポンと裸の上から被った。


そして、お風呂にお湯を入れようとバスルームへ行った。
伊原のバスルームの給湯器は、夏子のところとは違うものだったので、よくわからなかった。


「篤志さん、お湯、どうやって入れるの?」


「あ〜?ボタン押せば勝手に出るやろ」


そのボタンがどれだかわからないのだ。


「どのボタン?自動ってとこのやつ?」


「そうばい」


「そこを押せばお湯が出るの?どこから?蛇口ないんだけど」


「はぁ〜?蛇口とかなくても出るやん」


ー少しくらい一緒に来て教えてくれてもいいんじゃないの?わかんないんだからー


夏子のところも給湯器はあるが、お湯は蛇口から出るタイプなのだ。


< 55 / 169 >

この作品をシェア

pagetop