マーメイドの恋[完結]
夏子はベッドから下りて、バッグの中からワンピース風の部屋着を取り出し、頭からスポンと裸の上から被った。
そして、お風呂にお湯を入れようとバスルームへ行った。
伊原のバスルームの給湯器は、夏子のところとは違うものだったので、よくわからなかった。
「篤志さん、お湯、どうやって入れるの?」
「あ〜?ボタン押せば勝手に出るやろ」
そのボタンがどれだかわからないのだ。
「どのボタン?自動ってとこのやつ?」
「そうばい」
「そこを押せばお湯が出るの?どこから?蛇口ないんだけど」
「はぁ〜?蛇口とかなくても出るやん」
ー少しくらい一緒に来て教えてくれてもいいんじゃないの?わかんないんだからー
夏子のところも給湯器はあるが、お湯は蛇口から出るタイプなのだ。