マーメイドの恋[完結]
夏子はとにかく「風呂自動」のボタンを押した。
〜お湯張りをします〜
「うわっ、ビックリした」
突然、給湯器から声がでたので、夏子は思わず声に出してしまった。
ジャッジャワーとお湯が風呂の中の方から出始めた。
夏子のマンションの風呂で例えると、追い焚きをする時にお湯が沸いてくる、あの丸い穴からだ。
ーこんなところからお湯が出るんだ。そんで?止める時はどうやるの?ー
わからないので伊原に聞くことにした。
伊原はベッドでタバコを吸っていた。
「夏子、ビール取って」
夏子は冷蔵庫からビールを出し「コップいる?」と聞いた。
「そのままでいい」
「あのね、お湯張りをしますって言ってるんだけど、止める時はどうするの?」