マーメイドの恋[完結]
ーいろいろと買い揃えなきゃいけないものがありそうだわー
夏子と一緒に暮らすマンションを探すという言葉は本当なのか。
ー気まぐれで言ったのかもー
夏子は、まだ完全には伊原のことは信用していなかった。
引っ越すなら、あまり荷物を増やしてはいけないが、たぶんそんなことはありはしないと思っていた。
夏子はバッグの中から、新しいショーツを取り出して履き、伊原のいるベッドにそっと入った。
「うん……?」
「あっ、ごめん起こしちゃった?」
「いいや、眠ったのわからんかったよ」
「頑張り過ぎちゃった?」
「あげなこと頑張ったうちに入らんよ。又する?」
「私も眠いわ。おやすみなさい」
「じゃあ起きたら又しよう。腕枕する?」