マーメイドの恋[完結]
伊原からもらった合鍵を使い、部屋を出てコンビニへ行った。
サンドイッチをふたつカゴに入れ、生野菜を買おうとしたが、ドレッシングやマヨネーズも冷蔵庫になかったことに気がついた。
ちょっとした朝食でも、一緒に住まないと作れないのだとつくづく感じた。
湯沸かしケトルは置いてあったので、お湯は沸かせると思い、夏子は紙コップが付いたコーヒーを買い、お湯を注ぐだけのスープも買った。
コンビニには、すぐに食べられる物はなんでもあるが、やはり自分で作りたいと夏子は思った。
マンションに戻ると、伊原はベッドの上でタバコを吸っていた。
テレビも何もない部屋。
バーの方は、ロカビリー風にしているが、伊原の部屋にはほとんどロカビリー系のものを置いていない。