マーメイドの恋[完結]
「じゃあ行ってくる」
伊原は慣れた様子で着替えを素早く済ませた。
「うん。篤志さん頑張ってね。私のこともいろいろ考えてくれてありがとう」
「なんね、他人行儀やね。好きな女のことを考えるのは当たり前やろ」
「あっ、篤志さん。ゴミはどうすればいいの?」
「ゴミ?下にゴミステーションがあるけど、ゴミ袋にいれないけんやろ。それも夏子はせんでよかよ」
「ねぇ、お母さんは毎週来てるの?私が来れる時は私がやりたいんだけど。とにかくメールでいいから教えてくれる?篤志さんに聞きたいことはメールしたいの」
「あぁ、じゃあLINEで」
ふたりはケータイをふるふるして、LINEを交換した。
「じゃ、急ぐけん行ってくるよ」
「うん。行ってらっしゃい」
ー良かった。これで私からも連絡できるわー