マーメイドの恋[完結]
掃除機をかけていた女性も、すぐに夏子に気がつき、掃除機を動かす手を止めて夏子をみつめた。
「ふぅん。あっくんが水曜日には来るなって言ってたのはこういうことだったんだ」
ーえっ?何?どういうこと?お母さんに私のことを言ってないから、お姉さんが確かめに来たの?ー
「あの、私、相田夏子と言います。篤志さんとはお付き合いさせてもらっています」
「お付き合い?なにそれ?聞いてないわよ」
女性は夏子を睨みつけている。
「すみません。まだお付き合いははじめたばかりなので、篤志さんも話していなかったんだと思います」
「話すって何よ。あんた、なんか勘違いしてるんじゃないの?私があっくんの女なんだけど!」
夏子は女性の言っていることが理解できずにいた。
元カノなのか、まだこの女性とも付き合っているのか。
「篤志さんとお付き合いされてるんですか?」
「そうよ。ここでいつもあっくんに抱かれているんだから」