Sun time



「み……と……」


日向…?


「美琴‼︎」


ペシ…


「痛い…」


これってまたデコピン?


あれ?私何やってたんだっけ?


なんというか夢心地というか…体が妙にフワつく。



目の前には心配そうに私の顔を伺う葉月と真子がいた。


「何ボーっとしてるの‼︎早く見に行かないと昼休み終わっちゃうよ?」




「大丈夫?美琴ちゃん調子悪いの?」




「真子ちゃん気にしなくていいよ。
この子いつもこんな感じだから」


葉月は呆れ顔で私を見た。



私はエヘヘと笑って誤魔化した。



今のなんだったんだろう。


考えても答えはでそうになかった。



まぁ、いっか‼︎


気にしてても仕方ないしね。



ほっぺを3回たたいて気持ちを入れ替える。





ピンポーンパンポーン

学校に鳴り響くアナウンス。



『一年生、保体委員は至急 体育館にくるように。繰り返しますー…』




「あああ‼︎私保体委員だ‼︎」



葉月は肩を落として言った。




「もー‼︎美琴ー!真子ちゃんのお兄ちゃんのこと見たらどんなんだったか教えてねっ‼︎ 私行ってくるから‼︎」




駆け足ぎみで行ってしまった。



私だったらサボってたよ。




葉月は、昔から責任感が強い。小学生の頃から学級委員長や生徒会長によく推薦されていた。



しっかりものだけど実は寂しがりやで怖がりだったりする。

先生に任されたプリントにホチキスを止める作業を放課後の教室でやるのが怖いと泣いていたこともあった。



独りで留守番するのが怖くて私の家にもよくきていた。



まぁ、小学校5年生の時のことだけど…。



今でも葉月は夏はテレビにスイッチをいれたがらない。多分それは夏の怪談が怖いからだと思う。



そんな葉月が私は大好きだ。










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