Sun time

「真子のお兄ちゃんって何組?」


「1Aだよ」





「特進じゃん‼︎」




しかも普通とクラスとは違ってネクタイピンが金色なのも特徴。
ちなみに通常はシルバー。




ゴールドピン=特進(頭の良い人)
だからゴールドピンは、皆の憧れである。




1Aの教室は三階にある。
私の学校は屋上を含めないで四階建て。
だから1Aの教室は屋上から近いのだ。






「うぅ…なんか照れるなぁ…」





真子は制服の裾をギュウッと握りながらその大きな瞳で私を見つめる。






「あ、あのね。美琴ちゃん。」





「ん?」





「私がお兄ちゃんに恋してることは、お兄ちゃんには秘密だよ?」




口元に人差し指をもってきてシーッというポーズをとった。




「分かってるよ‼︎」





勿論言うつもりはない。

真子のしてる恋はけして褒められるものではないからだ。





兄を好きだなんて普通は言えないことなはず。なのに会ったばかりの私と葉月に話したのは何故なんだろう…。




いろいろと腑に落ちないが…これ以上考えるのはやめにした。



なんとなく深く考えてはいけない気がした。





今日の私は私らしくないな。よしっ!気持ちの切り替えしよう!
うじうじ考えるな!当たって砕けろ!
なんて自分に言い聞かせてみたりした。




自分の中で気持ちを上げて1Aのクラスまで足を運んだ。

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