Sun time

陽と日



陽と日


【美琴side】



頭がボーっとする。


何か忘れてる気がする…。



日向…この名前が頭から離れない。


「はぁぁ…」



私の口から深いため息が漏れる。




「さーがーらぁ? ため息をつくほど暇なんだなぁ?
そーんな、お前にはボランティア実行委員長の座をあげよう。 暇すぎるお前には適任だろう?」


目の前には真っ黒な笑みを浮かべる担任の小島先生。


そうだった…今、授業中だ!


小島先生はニコニコと笑いながら私の机に手を乗せる。


真っ黒以上に黒い笑顔。
悪意が擬人化したようだった。


人の為になることや感謝されることが好きな私にとってそう悪い話ではなかった。




ボランティア…


やってもいいかも…。



てかやりたいかも‼︎








「先生‼︎私超暇なんでやりますっ‼︎」


勢いよく机から立ち上がり挙手する。


そんな私を見て小島先生は少し引きぎみだった。



「お、おう…。そんだけやる気あんなら最初から手あげろ‼︎」



少し残念そうな顔をしていた。
多分私が必死に嫌がる姿を楽しみにしていたのだろう。



本当に腹黒い先生だ。



まぁ、ボーとしてた私が言える立場じゃないけどね…。










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