Sun time


真子と、葉月は保健室に行った。



第一相談室には私と成瀬さんと望月さんと他のクラスの実行委員の人たち。



2人がいなくなった第一相談室はざわついていた。




「ねぇ、桜井さんどうしたのかな?」



「おかしかったよね?」




「てか、あいつ頭大丈夫か?いきなりあれはないだろ。
真子さんにも失礼だろ?」




「そうだよなぁ〜。あんな大声で、まじ迷惑。しかも悪魔はないわ…。悪魔とか中二病?」



「てか怖い〜!」



「俺あいつと関わるのやめるわ。」






葉月への悪口。


確かに葉月は変だった。


だけどずっと葉月を見てきた私には分かる。

葉月は何もないのにあんな風になるわけない。



このままじゃ葉月勘違いされちゃう!!




「うちのクラスで揉め事があって…。
葉月少しパニックになっちゃったみたいなの‼︎ 迷惑かけちゃってごめんなさい‼︎」




私は何があったのかは分からない。

けど…葉月のこと誤解して欲しくないんだ…。

だから私は言葉を選びながら説明した。


私の大切なお姉ちゃんだから…。


お姉ちゃん…?

ブワッと頭の中に光が走るような感覚。

お姉ちゃんその言葉が妙に耳に残る。




「相楽さんが謝ることじゃないよ‼︎
悪いのは葉月さんじゃん‼︎ 真子ちゃんと何があったかは分からないけど手を貸してあげた真子ちゃんに悪魔はないよ‼︎」




正論だった。




確かにあの状況を見ただけどどう考えても葉月な悪くみえる。


でもきっと葉月にも言い分があるはずだ。


誤解してほしくない…。



駄目だ言葉がでてこない。



なんて言ったら葉月のことわかってるくれるかな…?




ズキン…ズキン…







考えようとすると頭が痛む。






お姉ちゃん……。





「みぃーんな、ストップ‼︎」




声をあげたのは望月さん。





「桜井さん、実は今日熱あったみたいなんだよ。
さっき桜井さん手がぶつかった時熱かったんだ。

熱ある時ってさ、怖い夢とかみるじゃん?天井が迫ってくる夢とかさ‼︎

葉月さんも熱でおかしくなってたんじゃないかな??」





明るくそう言う望月さん。






「確かにそうかも…。
だって桜井さん。 委員会とかもサボらない真面目な人だもんねっ!」





「そうだよな〜。
熱があったらなら仕方ないよな。
俺もよくうなされるし!」





望月さんの優しさが第一相談室に広がったように場の空気がホワッと優しいものになる。




私はホッした。

葉月熱があったって本当なのかな。


気がつけなかったなんて…。


いや、私が気付けないはずがない。


ってことは……



望月さんが気を使ってくれたんだ。



望月さんの方を見て




「あ、り、が、と、う」




と口パクで言った私に望月さんはニコッと笑ってくれた。



その笑顔にドキッとしてしまった。


不覚にも可愛いと思ってしまった。


男の人に可愛いなんて失礼だね…。






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