今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 胸が締め付けられる。

 駆け寄って抱きしめてやりたい衝動に駆られたけど。


「だったら、気を引き締めて頑張りなさい」

 監督の檄が飛んだ。


「やべっ」

 祐太朗が焦ったように呟いた。


 女子部員達は散り散りになってコートの中に入っていく。


 陽菜は女子部の誰かに連れられて体育館を出て行った。



 何事もなく始まったかのように見える練習が、少し寒々しい空気を孕んで再開されていく。
 陽菜はどこにもいない。


「これって、俺達のせいかも? これ以上はここにいない方がいいかもな」

 声を顰めた祐太朗に

「そうだな。けど、俺達のせいって?」

 階段を下りながら聞いた。

「女子達が俺達っていうか、おまえを見ていたのは知ってるだろう?」

「ああ、まあ。でも見てたのは俺達だろ?」


 わざわざ、訂正することはないだろう。



 それじゃ、俺が悪いみたいに聞こえてくるぞ。

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