今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
やがて校舎の間から女子達が現れた。


 陽菜は?

 薄暗くなった夕闇の中、目を凝らす。


「陽菜」

 いち早く姿を見つけたのは航太だった。

 肩を支えられるようにして歩いてくる。
 俯いて項垂れて……元気がなくて。

 いつもの笑顔がなかった。

 当たり前だよな。
あんなことがあって、笑っていられるわけがない。


 ゆっくりとした足取りに待ちきれなくなったのか、航太が駆け出した。


「陽菜」


 心配そうに名前を呼んだ航太の声が、耳の奥にこだまする。

 何年も一緒にいる2人の絆が垣間見えたような気がした。

 陽菜に駆け寄って行く航太の背中。

 俺には何もできないかもしれない。


 謝らなければ……




 それだけを思って、俺は陽菜の元へと急いだ。

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