今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「陽菜、ごめん」

 俺の声に気付いた陽菜が俺を見てくれた。
 俺がいるとは思わなかったんだろう、びっくりとした顔になった。

「ごめん」

 もう一度謝ると、意外とでも言いたげな表情に変わる。


「白河くんじゃないよ。わたしなの。だから……謝らないで。ごめんね、イヤな思いかけて」

 って、違うだろ。

 迷惑をかけたのは俺なのに、陽菜が謝るなんて。


「陽菜……」


 これ以上言葉が出ない。

 こんな時に、一番、苦しい思いをしているのは陽菜のはずなのに。
 どうして、俺のことを思い遣れるんだ?


 黙って立ち尽くす俺の間を縫うように航太が声をかけた。


「陽菜、大丈夫か? ちゃんと冷やしたか?」

「うん。さっきまで冷たいタオル当ててたから

 航太はぶたれた左頬に触れる。

「少し熱い。帰ってからもう一度、冷やした方がいいよ」


「そうだね。まだ、少し、ジンジンするの」


「痛かったよな」



 陽菜は回想するように視線を彷徨わせて、何度か肩で息をした。

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