今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「監督ってばか力だよね。思いっ切り、ひっぱたかれちゃったもん」

 おどけたように冗談のように、少しだけ笑って、でも、笑ってなくて……泣いているみたいに笑って。

 湧き上がって来る感情と戦うように、息を飲みこんで、キュッと引き結ばれた唇は微かに震えていた。


「ねえ。航太」

「うん?」

「わたし、まだまだなのかなあ。夏から……全然上達してないのかな?」

「陽菜」

 答えを探すように思いつめた顔をして。

「わたし、浮かれてた? 不真面目だった? 練習、足りてなかった? わたし……」

 言葉が途切れた。

 歯を食いしばって涙を堪えているよう。

 こんな時、何を言ってあげたらいいんだろう?


 うまく言葉が見つからなくて、気持ちが焦って空回って、オロオロするばかり。
 
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