今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 ベッドの上。

 蹲るように身体を丸めた陽菜がいた。


「陽菜。そのままで寝てたら、風邪ひくよ」


 僕は人差し指で肩をツンツンとつついた。



 反応なし。


「ほら、制服だってしわになるし」


 もう一度、今度は背中。

 少しだけ、身体を捩るように動かしたけど。

 反応は薄い。



「陽菜。顔を見せて」

 僕はベッドに乗り上げて反対側に回る。

 陽菜と目が合った。

 涙のあと、瞳にもいっぱい涙を溜めて……


 泣いている。

 泣き顔を見られたくなかったのか、陽菜が顔を背けてしまった。

 小さい子供が拗ねているようにも見えるけど、今日は何をしても、何を言っても、無駄なんだろうなって諦めた。




 心を閉ざしている陽菜には、僕の声さえも届いていないかもしれない。

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