今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「陽菜。寝ようか?」

 こんな日は早く寝てしまうのがいいのかもしれない。
 そう思って、陽菜に声をかけた。

 何も言わない僕に安心したのか、しばらくして小さく頷いてくれた。


「じゃあ、起きて。パジャマに着替えないと。今日は僕も一緒に寝てあげるから」

 陽菜の腕を取って引き起こした。

 座る格好になった陽菜の顔を覗くと、上目づかいに僕を見て、すぐに目を伏せてしまった。


 自分の感情を持て余して、どうしていいのか分からなくて、いつもと違う顔を見せてしまったから、どんな顔をしたらいいのか戸惑っているのかもしれない。


 今までの陽菜が出来過ぎだから。

 少しぐらい感情を露わにしたからって、恥じる必要なんてないんだよ。

 顎に手をかけて陽菜の顔をあげさせた。



 こわごわと僕を見つめる瞳が妙に色っぽい。
 毎日見ていても、どこかしら変わっていく。


 指の腹で涙を拭って。

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