今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「歩夢がプレゼントしてくれたものだよ。お守り代わりにしちゃった」

 ペロッて舌を出しておどけたような表情をした陽菜に、僕はにっこりと微笑む。

 元からそのつもりだったから、試合の間、僕の代わりに見守ってくれたのかと思ったら、それだけで満足。


 試合の行われたコートは遠くて、陽菜の手首までは見えなかったから。


「いいよ。よかったら、ずっとつけてて」

「うん、そうするね」


 華奢な手首には細めの金の鎖が似合っていた。

 スポーツ選手だからあまり目立たないものをと思って、これを選んだけど正解だったかな。

 陽菜はブレスレットを見つめて、ラッキーストーンを愛おしそうに撫でる。その仕草の、何とも言えない微笑ましさに、僕はほっこりしてしまう。


 他に大勢の人はいるのに、僕達2人だけの空間になってしまったかのよう。



 和んだ雰囲気の中で言葉もなく陽菜を見つめていた。
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