今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「陽菜の試合は?」

 今の一件ですっかり忘れていたことを思い出した。

「もしかして試合見てないの?」

 歩夢の呆れた顔で俺を見た。

「今、着いたばかり。午前中、部活だったんだよ。これでも急いで来たんだからな」

 休みたくても休めないんだよ。
 今までズルけていた分、真面目に練習しないと。


「ふーん。まっ、いいけどね。陽菜は今から準決勝。順当に勝ち進んでるよ」

 歩夢の言葉にホッとした。


「あっ。陽菜だ」

 歩夢の声にコートへと視線を移した。

 久しぶりの陽菜の姿。
 ユニフォーム姿が凛々しい。

 少し遠めなのが残念だけど、元気そうな陽菜を見ることが出来てよかった。


「ちょっと、陽菜のところ試合が遅れてるんだよね。一試合分くらい離れてる」

「そうなのか?」

「うん。隣は準決勝が終わった」


 言われて見ると、女子選手が握手をしているところだった。

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