今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「陽菜の相手、決まったね。予想通りかな」

「誰?」

「桜木選手」

 桜木? 聞き覚えのある名前。

「それ……」

「知ってるの?」

 歩夢は意外そうな顔でパッと俺を見た。
 そのリアクションはわからなくもないけど。

「航太から聞いた」

「ふーん。基礎知識は必要だからね」


 口の端をあげて不敵な微笑み。

 バカにされてるような気もするけどな。


「今回はどうなのかな? 陽菜に分があるといいけど」

 もっと、自信満々と思いきや、思ったより弱気な物言い。

「桜木選手って、強いのか?」

「見ていればわかったと思うけど……強いよ。紫杏から出てくるなんて思ってもみなかったから、ある意味、衝撃的だよ。今回の出場は個人戦のシングルスのみ。どれだけ個人の能力が高いかってことだね」

「そうなのか? 詳しいな」


 感心するように零すと冷たい目で見られてしまった。

 
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