今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「あーあ。勢いのまま押し切られちゃったね」

 歩夢の残念そうな声が耳元で響く。

 15-21。

「15点の壁だね。次は取り返せるかな」

 離れた観客席では拍手と声援がする。

 紫杏の選手だろうか。

「男子の時よりもすごくないか?」

「そうかもね。男子は青藍相手じゃなかったし、女子は青藍対紫杏って、もろ直接対決だから、両校も力が入るんじゃない? 男子は紫杏に優勝タイトルを全部持ってかれたし、女子まで負けちゃったら、立つ瀬がないよね」

 それはわかる。


 次の2ゲーム目が始まって、更に応援が激しくなった。

 お互いのポイントが入るたびに、どよめきと拍手と声援と、会場が一体となったみたいに観客達の気持ちが選手に注がれているようだった。

 一進一退が続いて、どちらに点数が入ってもおかしくないくらいの白熱の試合。

 手を握りしめて、手のひらはじんわりと汗が滲んでいた。


 自分が試合をするよりも緊張しているかもしれない。


「陽菜、頑張ってるね。気迫がすごい」

 歩夢も試合に見入っているみたいだ。
 少し声が震えていた。


 陽菜はポイントが決まるたびに、咆哮をあげて拳を握りしめる。

「これが陽菜なのか?」


 あのおっとりとしたはにかみ屋の陽菜はどこに行ったんだろう?

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