今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「そんなわけねえじゃん。女なんて腐るほどいるし、別に……」

 俺が好きにならなくても、女は寄ってくる。

 それに、俺を見ても眉一つ動かさない無感動女なんて。



「別に好きじゃねぇよ」

 吐き捨てるように言った言葉。
 まるで、自分に言い聞かせるように。


 そう、好きじゃない。
 他の男を見ている女なんて。


 俺に見向きもしない女なんて。


「誰が好きになるか!」


 怒鳴るように言った極めつけの言葉。





 女のことで、こんなに感情的になるのは初めてだった。

 
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