今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「そんな覚悟もない男なんか、陽菜を好きになる資格はない。今後一切、陽菜には近づくな」

 荒々しく言い放った歩夢に息を飲む。


 試合会場だった場所は閉会式の場へと変わり、表彰式も行われていた。

 周りからは拍手が聞こえるけれど、遠くに耳を通り過ぎていく。

 陽菜に感動していたはずの自分は、もはやどこにもいない。
 歩夢に圧倒されて、言葉を失い、惑っているみっともない自分がいるだけ。



「さてと、今夜は陽菜の好きなものをいっぱい作って、帰りを待っていようかな」

 いつもの声音に戻って、いつもの言葉遣いに戻って、歩夢はすくっと立ち上がる。


「それじゃ、悠兄ちゃん、お先に」


 歩夢は勝ったと言わんばかりの笑みを見せて、ひらひらと肩口で小さく手を振ると、通路用の階段を上っていった。


 とんだ半日になってしまったな。

 まさか最後に、巨大なバクダンを落とされるとは予想もしていなかった。


 閉会式も終わり、周りから人がいなくなっていく。

 人少なになった試合会場。



 俺は立ち上がる気力さえなく、しばらくの間、椅子に蹲って落ち込んでいた。

 
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