今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ありがとう」

 マンションの前まで来ると、彼女がお礼を言ってくれた。

「それじゃ、明日ね」

 マンションの中に入っていこうとする彼女を呼び止める。


「玄関まで送る」

「えっ? もう家に着いたから、ここでいいよ」



 そうかもしれないけど、俺が離れたくなかった。
 もう少し、話をしていたい。

「いいから、いいから」

 俺はちょっと強引にマンションの中へと入っていく。


「白河くんが遅くなっちゃうよ。だから、いいのに」

 エレベーターを待っている間、心配そうに気遣う彼女の姿。


「俺は男だし、少しぐらい遅くなっても大丈夫だし、それに送っていくからには、責任もって、玄関まで送り届けなきゃね」

「白河くんって、けっこう心配性?」

「そ、友達に関してはね。だから、あきらめて送らせて?」



 俺は、少し身をかがめて、陽菜の顔を覗き込んだ。
 
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