名無しの手紙
あいつはほんの少しだけ動揺して、だけどすぐに元の調子に戻って、
「あんたが花持ってくんのは許さねえから」
そして自分の下駄箱を開けた。
中にある手紙を手にとって、ほんのちょっと嬉しそうな顔を一瞬だけして、それからわたしの方を見て不機嫌そうな顔に戻った。
今にも舌打ちが聞こえてきそうな仏頂面。
ミカが死んでから、わたしに向けられるようになったこの顔を見て、
あいつの笑顔が見たいと何度思っただろう。
鋭い目でわたしを睨んで、そのまま何も言わずにあいつは学校後にした。
「あんたが花持ってくんのは許さねえから」
そして自分の下駄箱を開けた。
中にある手紙を手にとって、ほんのちょっと嬉しそうな顔を一瞬だけして、それからわたしの方を見て不機嫌そうな顔に戻った。
今にも舌打ちが聞こえてきそうな仏頂面。
ミカが死んでから、わたしに向けられるようになったこの顔を見て、
あいつの笑顔が見たいと何度思っただろう。
鋭い目でわたしを睨んで、そのまま何も言わずにあいつは学校後にした。