誘う、誘ってる【短編】
「ああ、してる」
照明が眩しくて、鹿島さんの顔が暗くて、何も見えない。ただ、鹿島さんの言葉を受け入れるしかなくて。
「ごめんなさい。足手まといでしょうか、私」
「足手まとい……まあ、ある意味」
カサリ。足元の砂利が音を立てる。私の足が踏みならしたんじゃない、鹿島さんが動いた。徐々に鹿島さんが私に近付く。彼の頭がライトに重なり、私の視界から光が消えた。
目が暗さに慣れて、見えてきたのは鹿島さんの顔。