きみは金色

そう言って誘うと、真子は言葉を飲み込んでしまうみたいに、ゴクン、とのどを鳴らして。

そのあとコクコクと、何回もうなずいてくれた。



迎えた、冬。

付き合ってから、約3ヶ月。



ゆっくりペースのおれたちも、なんだかんだで前進していたりする。



この3ヶ月の間に、用事がない時に一緒に帰るのは、おれたちの定番になっていた。


最初のころは、別々に教室を出て、ゲタ箱で待ち合わせたりして。


でも最近は、一緒に教室を出ることの方が多くなってたり。


真子からは誘いに来たりしないけど…でもちゃんと、おれが声をかけるまで、カバンを机の上に用意して待ってんだよな。



『一緒帰ろ』



おれがそう声をかけたとき、ふわぁって。


めちゃくちゃ嬉しそうに笑う顔が、ほんとにかわいい。



…ちゃんと、付き合ってんだなーって。最近すごく、思ってしまったりする。


すげーよな。そんなこと、思えたりするんだ。


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